基山町は古くから古代官道や長崎街道など主要道路が通っていて、国道3号線、JR鹿児島本線、九州自動車道が縦走するなど交通の要衝地として発展してきた。いまだに多くの史跡が残り、伝統芸能行事が守り続けられている歴史ある町。つつじ寺として親しまれている大興善寺は、「別格本山」と称することが許された奈良時代より続く天台宗の古刹。本堂の後背にひろがる「大興善寺公園」の広大な敷地には、杉や檜の大木、日本庭園などの各種庭園、花見堂等があり、春は5万本のつつじ、秋は500本以上のもみじが色づく紅葉の名所として多くの人で賑わう。「契山」は昔、五十猛命イソノタケルという神が基山の「たまたま石」に腰をおろして四方を眺めていた時、1人のきれいな娘の洗濯する姿が目にとまり、さっそく結婚することになり、山の頂で夫婦の契りを結んだ。そこで人々は「契り山」というようになった事に由来する。近年、「契山」と「つつじ」に込められた「愛」に縁を求め大興善寺、公園山頂の「契り山観世音」像に縁結びを願う人が増えている。
住所 | 佐賀県三養基郡基山町大字園部3628 Map |
アクセス | 鳥栖IC下車、国道34号線経由、国道3号線を基山方面へ |
HP | http://www.daikouzenji.com/ |
デートプラン
11:00 大興善寺で厳かに参拝
契山のふもとにある山寺、天台宗別格本山「大興善寺」は、717年に創建されたと言われる。まずは本堂へお参りを。屋根は檜皮葺で、契山との自然の融合が感じられる。本堂のすぐ横には国本殿があり、国指定重要文化財の仏像(木造)、「広目天」と「多聞天」が祀られている。一般公開は、春と秋に開催されるつつじ祭り・紅葉まつり期間中のみなのでお見逃しなく。境内には、樹齢600年とも言われる雄大なクスノキや、美しく手入れされた庫裡庭園など見どころたくさん。住職のブログはhttp://blog.tutujidera.ne.jp/
12:30 花々を見ながら小道を歩く
本堂の背後にひろがる「大興善寺公園」。広大な敷地内には、「愛の喜び・初恋・情熱」が花言葉とされる「つつじ」が5万本連なり、春の満開の時期は目を見張るほど鮮やかな濃淡のあるピンク色に染まる。「人目一万本」見渡す限りのつつじはロマンティック。秋には500本以上のもみじや、スギやヒノキの大木が紅葉し、情緒あふれる空間に変身。日本庭園など各種庭園、花見堂など一年を通して楽しめる
13:00 契山観音・子宝船
大興善寺公園内の契山観音にお参りしたら、縁結びのお守りを。船の形のような天然石は「子宝船」と言われ安産祈願や、子授かり祈願に訪れる人が多い。天然石の上から大木が生えている「石の上にも100年」、犬が寝ている様子に見える「寝そべる石」など散策してみよう。
15:00 日本国最古の山城を巡る
地名の由来となった基山には、665年に築かれた「基肄(きい)城」の史跡が見られる。百済高官の指導により築かれた日本最古の山城、山全体の地形をいかし、周囲4キロに渡って城壁をめぐらせた壮大な城跡。山頂駐車場から基肄城史跡をぐるりと巡るコースは美しい眺望や森林の美味しい空気を楽しみながら水門跡や礎石群など史跡をハイキングできる。
17:00 温泉でゆっくり体を癒して
「基山ラジウム温泉」は弘法大師お授けの薬湯と言われ、日帰り入浴ができる温泉ファンから隠れた名湯と好評価の昔ながらの温泉。ぬる湯が特徴なので、熱いのが苦手な人も気兼ねなくゆっくり入れるのがうれしい。また、「筑紫野温泉アマンディ」は和風風呂に加えて、南国を思わせるバリ風温泉が特徴。リゾート気分で楽しめる日帰り温泉で、岩盤浴やエステ、食事もできる。
PickUp インフォメーション
ドンキャンキャン「御神幸祭」
それぞれの時代の影響を受けながら守り受け継がれる伝統行事。ドンキャンキャンと呼ばれて親しまれる「御神幸祭」は五穀豊穣と無病息災を祈って秋分の日に行われる。基山町宮浦の荒穂神社の伝統芸能で、大きなカネを持ち上げて威勢よく叩く姿が勇壮。日の出前にご神体を御輿に移す行事が行われ、日の出と共に様々な芸能の奉納が始まる。そのひとつ、獅子舞は奈良平安の芸能の面影を色濃く残す貴重なもの。
大名行列を再現「園部くんち」
基山町で守り続けられている故郷の趣たっぷりの伝統行事。基山町園部にある宝満神社の秋の大祭「園部くんち」。午前7時半には神輿と神楽に大名行列の御弓、御鉄砲などがお供して、宝満神社から御仮殿に向かう。約150mの短い距離を約1時間かけてゆったり進み、行列の進行中には神楽や挟箱や羽熊などの演技で楽しませてくれる。午後2時から同じように宝満神社に戻っていく。
サンドブラスト工芸
基山に工房を構えて創作活動をする作家たち。細かい切削用砂を空気に混ぜてエアーブラシでガラスに吹き付けて描くガラス工芸品サンドブラストは「すなぼりがらす 対翠社(☎92-2011)」で。結婚のお祝いにオリジナルを注文できる。「陶房 基肄(☎92-0475)」には30年以上の陶芸歴を持つ主人が作るいまにも動き出しそうなウサギやフクロウなどの動物をモチーフにした陶器が並ぶ。いづれも体験コースなどがあるのでチャレンジしてみて。体験コースもあるので、自分だけの作品にチャレンジしてみて。
草スキー
宮浦ICから車で10分ほどの基山山頂からは、町並みはもちろん、博多湾や有明海、雲仙普賢岳まで見渡せる絶景が広がる。駐車場から山頂までの斜面はカップルもファミリーもピクニックや草スキーで楽しめる。なだらかな場所から、少し傾斜のあるスポットまであるので、レベルに合わせて草スキーに挑戦しよう。3〜5月、9〜11月はソリレンタルもある。(☎92-2011)
エミュー&基山ブランド
オーストラリア原産の大型の飛べない鳥エミューを使った、エミュー肉の商品は高タンパク、低カロリーで鉄分も豊富で、ハムやソーセージのほかレトルトのキーマカレー、コロッケ、肉みそ等様々な食品になっている。また、エミューの羽は、一つの根元から二つの羽がわかれており「縁結びのお守り」や「友情の証」として知られ、エミューの羽根ストラップとしても人気がある。問:きやまファーム(☎0942-50-8603)。 他にも、基山町の清らかな水は「基峰鶴」ブランドに代表される美酒も生んでいる。蔵元「基峰鶴酒造(☎92-2300)」や「酒ブティック丸久(☎92-2828)」を覗いてみよう。