南は土佐湾に面し、北は四国山地を背にした安芸市は、風光明媚な町として知られ、歴史と文化の香る町という顔も持っている。大山岬にある伊尾木(いおき)漁港石積堤は、土佐藩の家老野中兼山が築造した港で、江戸時代の終わりに石組と防波の建設に取りかかったが、藩の財政難から工事は中断。長い時を経て平成12年にようやく完成した。また平成18年には「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれた。岸には河野公園があり、太平洋に突き出すような形の公園からは、晴れた日にはサンゴ礁が、冬には“だるま夕陽”が見え、太平洋を望む美しい景色が堪能できる。

住所 高知県安芸市下山1400
Map
HP http://www.city.aki.kochi.jp/
四国 恋人の聖地

デートプラン

10:30 大山岬を巡る

どこまでも広がる太平洋と、岩に砕け散る白い波しぶきという豪快な景色を望む大山岬。潮の香りもして気持ちいい。公園には童謡作曲家・弘田龍太郎の「浜千鳥」の曲碑もあり、心和むひとときを過ごせそう。きれいな夕陽が見える夕暮れ時はとてもロマンチック。

11:30 季節の花と野良時計

土居地区にある櫓時計(通称野良時計)は、明治時代、時計に興味を持った大地主の畑中源馬氏が10歳の頃に買ってもらったアメリカ製の八角時計を分解して組み立てた手作りの時計。以来120年にわたって時を刻んだ。近くの畑は夏はヒマワリ、秋はコスモスが満開となる。

12:30 歴史の重みを感じる土居廓中(どいかちゅう)

土佐藩家老五藤氏の家臣たちが集まり住んだ武家屋敷の町並みは、土居廓中と呼ばれる。ウバメガシの生け垣や土用竹の垣根や塀に囲まれた藩政時代のたたずまいを残した情緒あるエリア。今も住み継がれているというから驚く。屋敷群の中ほどにある野村家のみ中を見学できる。

13:00 ランチで郷土料理を堪能

土居廓中にある食事処『廓中ふるさと館』では、「ナスカレー」や「かき揚げちりめん丼」「土佐ジローの親子丼」といった、地元の食材を使った定食が人気を呼んでいる。

14:30 内原野陶芸館へ

200年余りの歴史がある内原野焼。焼き物の里にある内原野陶芸館では、気軽に手びねりや絵付けなどの体験ができる(要予約)のでトライしてみよう。敷地内にあるガラス工房ではサンドプラストやバーナーワークによるオリジナルのガラス製品を作るのもおすすめ。

PickUp インフォメーション

岩崎弥太郎生家

坂本龍馬と共に幕末を生き抜いて新しい日本を夢見た三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎の生家は215年前の建築物。土用竹の垣根を巡らせた屋敷内には茅葺きの母屋や土蔵が残る。また、少年時代の弥太郎が造ったという日本列島の形をした石組の庭も見ることができる。

童謡曲碑と弘田龍太郎

「春よこい」「雀の学校」「浜千鳥」などの童謡を作曲した、大正・昭和期の童謡作曲家、弘田龍太郎は安芸市土居生まれ。安芸市では氏の功績をたたえ、市内の童謡曲碑を設置。中には近づくとメロディが流れるものもあって楽しめる。10基の曲碑を巡ってみるのもいい。

伊尾木洞シダ群落

シダが生える天然の洞穴は高さ約5m、幅約3m、延長約40mにも及ぶ。谷水が流れるほの暗い洞内を進むと、壁面などにびっしりとシダが群生して幻想的な雰囲気。ここには8種類のシダが群生し、このように多くのシダが一カ所に繁殖するのは珍しいことで、国の天然記念物に指定されている。

レンタサイクルで市内を散策

自転車でのんびりと市内を散策はいかが。安芸駅構内に併設された安芸駅ぢばさん市場では、レンタサイクルを無料で貸し出している。大人用自転車33台、子供用3台を完備。また、ぢばさん市場では、地域の特産品を使った日替わり弁当や焼きたてのパンを販売しているから、お弁当を買って散策するのもまたよし。

道の駅大山

2024年2月10日リニューアルオープンした、伊尾木漁港に隣接する道の駅。 店内では高知県内のお土産物の他、地元野菜をふんだんに使い、あふれるほどのボリューム自慢のタコス「コボス」や、 ふわふわもっちりの軽い食感がまるで天使の食べ物「エンジェルケーキ」といった、道の駅大山オリジナルの軽食メニューも販売。イートインスペースで、太平洋を眺めながら、安芸のおいしい物をぜひ味わってください。